はちみつはアーユルヴェーダでは食材として、また薬としてもよく使われます。
天然のハチミツは甘味と苦味を持ちます。
他の甘味剤と同様にオージャスを作る元となる一方で、異化作用を促進する(ダイエット作用もある)というちょっと他の甘味剤とは違う面白い食べ物です。
アーユルヴェーダからみるハチミツの性質
アーユルヴェーダでは、ハチミツは、甘味と苦味をもち、冷性であり、軽性、乾性といった性質を持ちます。
これらの味や性質はヴァータを増やし、カパとピッタを緩和します。
そのため、主にカパおよびピッタが汚染されることによって引き起こされる咳、痰、肥満症、吐き気、下痢などの症状に高い効果をもたらすと考えられています。
様々な用途に使われるはちみつですが、熱との相性がよろしくありません。
ハチミツ×熱=アーマ(毒素)、となり、このアーマは特に排出が難しいと言われています。
実際にハチミツを熱するとハチミツの持っているビタミン類・酵素・ミネラル成分が破壊されるだけでなく、ヒドロキシメチルフルフルアルデヒド(HMF)と呼ばれる化学物質が生成されるという検証もあるようです。
そこで、アーユルヴェーダでは、以下のような注意点が古典に書かれています。
・はちみつは、熱いお湯やミルクにいれて摂取してはいけません。
・夏の熱い時、風邪で高熱が出ている時などに摂取してはいけません。
・摂取量は少量で、過剰摂取はせず、特にピッタ体質の方は摂取量を控えめにしましょう。
Charaka Samuhita Strasthana 27 243-246
また、はちみつを摂取するときはその食べ合わせにも注意が必要です。
・ギーと同量で摂取してはいけません。
・肉や魚との組み合わせには十分注意する。
Ashtanga Hrudayam Strasthana Chapter 7 Viruddha Ahara
とはいえ、精製過程で、どうしても濾過する際にある程度温めてさらっとさせないといけないので、日本で熱を全く加えていないハチミツは希少のようです。
それでも、日本の養蜂家さんはその場合でも40度前後の低温で濾過をされているようなので、その場合は問題はないと個人的には思っています。
海外輸入品は、養蜂所ではいくらオーガニックと謳っていても、瓶詰めの時に高熱殺菌している場合があるので、なんともいえません。
ハチミツのあの濃厚な味わいと効果を存分に味わうためには、やっぱり作っている過程が見える養蜂家さんから購入するのが良さそうですね:)