アーユルヴェーダは人生の羅針盤


アーユルヴェーダは、約5000年の歴史を持つインド発祥の伝統医学です。

サンスクリット語のAyus(生命)とVeda(知識/科学)を語源にもち、生命の科学という意味があります。私たち人間がどう生まれて、どう死ぬか、そしてその一生をより良く過ごすためにはどうしたらいいか、その羅針盤となるのがアーユルヴェーダです。

アーユルヴェーダには2つの目的があります。
まず第一に、病気や怪我にならないよう、健康な人の健康な状態を維持すること。

私たちは十人十色と言われるのは、身体、心、魂のレベルで異なったエネルギー(ドーシャ)を持っているからです。このドーシャのバランスの違いこそが、一人一人が生まれ持った体質(本来の自分=プラクリティ)であり、一人一人違うからこそ、私たちは唯一無二な存在であり、特別な存在なのです。

第二に、病気の根本から治すこと。
アーユルヴェーダでは、目に見えている症状の緩和や治癒だけでは十分とはいえません。症状を引き起こしている原因をできるだけ排除してあげることが大切で、再発を防ぐことにもつながります。例えば、同じような症状がある二人がいても、その原因やプラクリティが違えば治療法も異なります。

このように、アーユルヴェーダでは、「個」を大事にし、体 の健康だけでなく, 心, 魂の3つのバランスを整えることがとても大切だと考えます。
その結果、不調を和らげ、そして何よりも病気にならないような心と体を作ります。そして自分の健康の先に、あなたの周りの大切を笑顔にし、社会を元気にするのです!


Sawstha(健康)な状態とは?

Samadosha, samagnischa samadhatumala kriyaha prasanna atmenindriya manaha swasthya ityabhidheeyate”

Sushuruta Samhita

アーユルヴェーダで定義されているSwastha(健康)とは、ただ病気や怪我がない状態ではありません。
体、心、魂全てのバランスが取れていて、始めてSwastha(健康)な状態と言えるのです。
そのためには、以下の7つが自分にとっての最良のバランスで機能している必要があります。

①ドーシャ(生命活動を維持するための3つのエネルギー)のバランスが整い、②アグニ(消化・代謝の火)が正常に働き、③適切な老廃物の排泄があり、④全てのダートゥ(体組織)のバランスが整い、⑤魂と ⑥心と ⑦感覚器官 が至福の状態にあること。

これら全てを整える、となると難しいように聞こえますが、一つ一つを見ていくととてもシンプルです。
魂が至福を感じていれば、心も幸せに満たされ、感覚器官も幸せを感じます。このように、体と心と魂はそれぞれ相互関係にあることがわかります。

Swastha(健康)はどうしてそんなに大切なの?

アーユルヴェーダはどうより良く生きるか?といった壮大なテーマです。

人生をエンジョイするためには、Swastha(健康)はとても大切だということは、なんとなくわかるという方も多いのではないでしょうか。
もう少し、具体的に見ていきましょう。

人それぞれ人生の目的は細かいところでは異なりますが、大きく4つの目的があると言われています。

ダルマ:社会の一員として責務を果たすこと

カルマ:情熱や愛情を注ぐこと

アルタ:富、人生の目的を遂行するために必要なものを手に入れる欲求

モクシャ:解脱、不要なものを削ぎ落とした先にある自然体の自分、自分が何者かを認識すること

そして、これらの人生の目的を遂行するためにSwastha(健康)が必要なのです。

こうやって書くとちょっと難しそうに聞こえてしまうアーユルヴェーダですが、日々のちょっとした不調を和らげてくれるセルフケアの方法や、落ち込んでいるときに心を元気にしてくれる方法、また長い人生の中で迷ったり不安になったりした時ににどうしたらいいかなど、私たちの毎日の生活に活かせる知恵が詰まっています。